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意外と多い仏教語

アイキャッチ用雑僧雑感
雑僧の雑感 仏暦2564年11月 後半 vol.74

「意外と多い仏教語」

 

 出世 世間 退屈 愛嬌 愚痴 知識 玄関 油断 方便

まだまだありますが

 これ全部仏教語から来ている。使われ方や意味は変わっている事が多いが。「一蓮托生」なんかもそうである。何だか悪の道に引きずり込むような言葉となってしまっている気がする。本当の意味は、死後共に極楽浄土に往き、一つ同じ蓮の花に託して生まれる。後の世の契りを結ぶ言葉なのである。「連」では無くて「蓮」なのだ。なにゆえ悪事?と、思わないでもないが・・・

 悲しいことに仏教語は悪い意味へと変遷して行く事が多い。ネガティブな言葉となってしまう。「往生」なんかもそうだ。極楽浄土へ往き生まれる事が「往生」だが、難儀した事を「往生した」なんて言う。「立往生」もそう。

 世界最古のオーケストラと言われる雅楽発祥の言葉も多く有る。

塩梅 打ち合わせ 楽屋 千秋楽 頭取 ろれつが回らない

 なんで仏教語や雅楽の言葉が元となっている言葉がこんなにも多いのか?言葉は変遷するものだ。古の知識人たちは経典を読み、雅楽をたしなんだ。日常的にこれの言葉を使ううちに、おそらくは本来の意味とは異なった使われ方となったのだろうと推察する。「出世」は娑婆世界から抜け出す事だが、いつしか社会的地位が向上する事の意となり、「玄関」は悟りの入り口の事だが、家屋の入り口となって行く。雅楽でのリハーサルを「打合せ」と言ったが、現在では仕事などを円滑に進める為の用語となる。知らずに使っている言葉に、実は千年の歴史がある事も多い。それを考えると結構言葉は奥深い。


 

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