初詣

アイキャッチ用雑僧雑感
雑僧の雑感 仏暦2565年1月 前半 vol.77

「初詣」

 

 「てやんでぃギョケイッ言ったんだよ」

「おう、恵方詣りの帰りだい」

落語『御慶』のサゲである

 「恵方詣り」は古来お正月の風習であり、その年の恵方に当たる社寺に参詣する事を言う。他に年始の行事には「年籠り」や「初縁日」がある。「年籠り」は大晦日の夜に社寺に籠って新年を迎える行事で、「初縁日」は、その年の初めての「縁日」にお参りする事である。「縁日」は神仏により異なり、例えば天神様は25日、お不動様は28日等。故に125日が「初天神」、128日が「初不動」これ等が「初縁日」である。因みに『初天神』という落語もある。

こうしてみると年始の参詣には、方角やら日にちやら、決め事が多い。その上、「年籠り」なんかは結構ハードルが高い気がする。それに比べて「初詣」は方角等の決め事や日にちの決め事がないし、籠る必要もない。今の形での「初詣」の歴史は100年程だそうだ。鉄道会社のキャンペーンだとか、明治神宮の創建だとか色々言われるが、「年籠り」と「恵方詣り」と「初縁日」を足して割ったのが「初詣」なのかもしれない。

「初縁日」の風習は今なお残っているが、「年籠り」や「恵方詣り」等は昨今あまり耳にしない。恵方は陰陽道に基づく方角の吉凶で、お正月に歳神さまが訪れてくる方角の事。だから恵方の社寺に参詣したし、門松迎えは恵方の山から切り取ってくるという風習もあった。仕事始めも恵方の場所で儀式をするなんて事もあったらしい。節句の「恵方巻」もこれの一種であろうか?ともあれ恵方はその年の吉方である。


 

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