盆と正月
雑僧の雑感 仏暦2564年7月 前半 vol.65
「盆と正月」
「盆と正月が一緒に来たようだ」
忙しい時や、喜ばしい時に使う言葉である
最近ではあまり使わない?
何故に盆と正月なのか?実はこの2つの行事には共通点が存在する。それは何か?ご先祖様が帰って来るのだ。お正月の歳神様は、新しい年の福を司る神様で、豊作をもたらす神様と言われているが、一方ではご先祖様とも言われている。お盆は言わずもがなご先祖様をお迎えする行事である。
と、言う事は
ご先祖様は年2回帰って来るという事になる
門松は歳神様をお迎えする依り代、盆棚の竹もまたご先祖様をお迎えする依り代である。今ではあまり使われないが「藪入り」と言う言葉がある。「藪入りは」かつて商家などに住み込みで働いていた奉公人が、年に2回実家へ帰る事ができた貴重な休日である。その日は旧暦の1月16日と7月の16日。地獄の釜の蓋が開く等とも言われている。何故この両日なのか?それぞれの前日が重要な祭日であった為である。
1月15日は小正月 7月15日はお盆
奉公人は奉公先でこの祭日を済ませ、その上で実家でも行事に参加出来るように休日となったのである。因みに地獄の釜が開くは、地獄の鬼も休日となり、地獄での責苦もお休みという意味である。
雑多な感じになってしまったが・・・
雑感故にご容赦を
「盆と正月」は貴重な休日であると同時に、ご先祖様が帰って来る祭日なのである。一方は神道の歳神様、一方は仏教のご先祖様。この信仰は仏教より古く、祖霊信仰と呼ばれている。祖霊信仰が仏教と融合した行事がお盆である。いずれにせよ、ご先祖様を敬う思いが今日まで脈々と受け継がれて来た事は言うまでもない。
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