蕎麦喰い

アイキャッチ用雑僧雑感
雑僧の雑感 仏暦2564年10月 前半 vol.71

「蕎麦喰い」

 

 蕎麦は毎日食べても良い

むしろ毎日食べたい

それ程に蕎麦が好き

 蕎麦には「通」と呼ばれる食べ方があるらしい。それには、店に入るところから始まり店を後にする所までの一連の所作を流暢にこなす事が要求される。細い蕎麦を辛い汁にちょいとつけて一気にたぐる、なんとも粋である。

「きん」や「さくら」なぞ使えば、いっぱしの蕎麦喰いの証。「きん」は大盛、「さくら」は小盛を意味する。「天ぷらそば、三枚で」なんて注文は素人のする事。この場合玄人は「天つき三杯もり」と注文するのだ。「つく」は一枚、「まじり」は二枚。「天まじり三杯もり」だと天蕎麦二枚ともり一枚と言うことになる。と、蘊蓄を語れるほど私は蕎麦好きなのである。

その「蕎麦通」の私がお薦めする食しかた。猪口なんて小さな器じゃあなくて、お椀程の器に汁三分の二程度。そこに刻みネギを大量投下し、すり胡麻を山ほど入れる。江戸好みの白く細いものではなく、粗びき乱切り田舎蕎麦。欲を言えば電気コード程の太さの蕎麦の上に、惜しみなく七味を振りかける、山葵は要らない。それを汁にたっぷりと付けて食す。そう、粋などと言う言葉は何処にもない。通と言う言葉も見つからない。例え野暮と思われようが構わない。濃い蕎麦の香りと、汁とネギと胡麻と七味の絶妙なハーモニー。蕎麦くらい好きに食べさせて欲しい。勿論マナーは大事である。そして蕎麦に対する敬意も必要だろう。最低限それをわきまえて蕎麦を喰らう。

※本来は10月1日アップの予定でしたが、当方の不具合で原稿が、下書き保存のままアップされていませんでした。

 

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