門松は冥土の旅の一里塚?
雑僧の雑感 仏暦2563年1月 前半 vol.29
「門松は冥土の一里塚?」
∼門松は 冥土の旅の一里塚 目出度くもあり 目出度くもなし∼
ご存じ一休さんの和歌 仏教界のレジェンド 超有名人である
坊主は変わり者が多い。世俗の価値観と出家の価値観は異なるからだろう。一休さんと言えばトンチで有名、説話・絵本・アニメ等々引っ張りだこ!多分、古今東西一番有名な坊さんであろう。
一休さんと聞くと小坊主を想像するけれど、あの御仁決して歳を取らなかった訳では無い。メディアの影響力はすごい。有名子役が大人になっても、イメージは子供のままみたいな?そんな純真無垢な一休さん。
だが、正月早々縁起が悪い、斜に構えるというか、キャラじゃない。そもそも、というか、この和歌は現在ではちょっと分からない感覚である。
今は満年齢が主流、生まれた日(誕生日)に一つ歳を取る。個々に誕生日を祝う。家族が多いと忘れてしまう事もある…。が、昔は違った。全国民が、同じ日に誕生日を迎えたのだ。むかーし昔の話、数えで歳を取っていた頃の事。誤解があるようだが、数え歳というのは、単に満年齢に一歳加えるという単純なものではない。その数式は複雑にして怪奇?生まれた時が一歳、そして正月毎に歳を取る。これが数え歳。
数え年の数え方 誕生日の後であれば+1歳 誕生日の前であれば+2歳
とにかく、正月一日に皆誕生日を迎え、一つ歳を取る。門松は吉祥御慶の験だが、旅路の一里(約4㎞)塚に例えたのだ。正月毎に死出の旅路の一里塚を越えて行く、だんだんと死に近づいて行く。だから正月は目出度いが、そうでもないかも知れない。ともあれ令和最初の新年を迎えた。今年はどんな歳となるのだろうか?
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