正五九
雑僧の雑感 仏暦2565年1月 後半 vol.78
「正五九」
「しょうごく」と読む
正月と五月と九月の事である
この「正五九」とは一体何であろうか?東京芝の大本山増上寺では、毎年「正五九」の15日、すなわち、1月15日、5月15日、9月15日に徳川家康公の念持仏である阿弥陀仏「黒本尊」の御開帳が勤められる。因みに一度も参った事が無い…
どうやら成田詣でも行われるらしい。謎だらけの「正五九」であるが、どうやら忌むべき月らしく、引っ越しやら婚礼は避けるべきで、災い除けのために寺社に参詣しましょうという事らしい。なので「正五九参り」なる風習があちらこちらに残っている。
ある書物には、「浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)」が「正五九」月に娑婆世界を照らすと書かれている。この「浄玻璃鏡」は閻魔王庁に置かれ、人の善悪全てを映し出す鏡である。だから、なるべく悪いことはしないように、善き行いをしましょうという月間であるという事らしい。
又、仏教では「三斎月」と言って、一年のうち「正五九」月は戒を保つべき月とされる。別の説では正月は物事の始まりで、五月は物事が最も盛んな時で、九月は物事が実を結ぶ時だからとの謂れもあるらしい。なにやら諸説ありみたいな感じだが、何故「正五九」月は忌むべき月なのかは未だによく解らない…。これまでなんとはなしに「正五九」は特別な月という認識だけはあったが、上記を鑑みても、その根拠がいまひとつ解らない。けれど、未だに「正五九」という風習が残っているという事はそれなりの理由はあるのだろう。兎も角も「正五九」は寺社にお参りをするべき月なのだそうだ。
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