七つの子
雑僧の雑感 仏暦2565年4月 後半 vol.84
「七つの子」
カラスは何故啼くのか?
「可愛、可愛と啼くんだよ」
童謡『七つの子』
カラスの子は七羽なのか?七歳なのか?そう言えば、『シャボン玉』に「とばずにきえた、うまれてすぐに、こわれてきえた」とある。生まれて七日目で亡くなった長女への想いなのだろうか?七羽も雛を育てないカラス、七歳は子供と呼べるのか?七日目で亡くなった我が子。
七羽 七歳 七日
「可愛、可愛」と啼くカラス
我が子を思う気持ちが切ない程伝わってくる。「あの町、この町、日が暮れる、今きたこの道、かえりゃんせ、かえりゃんせ」お家がだんだん遠くなるから。多くの名曲を残した野口雨情。その人生は幸せだったのか?不幸だったのか?ある人は言う。決して幸せな人生ではなかったと。けれど、幸不幸は本人にしかわからない。
「そそら、そらそら、うさぎのダンス」
耳に鉢巻して踊る
「証、証、証城寺、証城寺の庭は、ツ、ツ、月夜だ、みんな出て、来い来い来い」
月夜に花盛り おいらは浮かれてポンポコポコポンノポン
可愛い我が子が踊りだす、手を取り合って踊りだす。ウサギも狸も、カラスも一緒、踊る輪の中シャボン玉。はしゃぎすぎて日が暮れて、月夜に踊る我が娘。遅くならないようにかえりゃんせ。早くお家に帰っておくれ。元気に笑って帰っておくれ。明日も楽しい一日が待っているから。そんな願いが聞こえるような。我が子愛しと聞こえるような。「この世では、花の咲かない、かれすすき」そんな悲しい事は無いと思いながら、言葉を綴る雨情の姿が偲ばれる。
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