ある少年の事
雑僧の雑感 仏暦2566年6月 後半 vol.112
「ある少年の事」
何でも出来て凄いね
違うのに…
大人たちに期待されればされる程、僕は、自分が誰なのか分からなくなっちゃう。大人たちが望むから、優等生のふりと不良少年の真似をする。そうすれば、みんなが満足するから。僕は気が小さくて傷つきやすい。そしてちょっと意地悪で意地っ張り。
誰か本当の僕を見て
本当は違うのに…
お父さんは生真面目で穏やか。そして、芯がしっかりと通っている。僕はお父さんみたいになりたかった。お母さんは厳しくて、まがった事が大嫌い。僕はお母さんの期待にこたえたかった。
僕はお父さんみたいになれたかな?
お母さんの期待にこたえられたかな?
本当は目立ちたくないし、好きな事だけしていたい。好きな事に没頭している時が幸せだった。でも、僕はそれじゃ駄目みたい。みんなが期待する僕じゃないと駄目みたい。大人たちが期待する僕。もう演じる事に疲れちゃった。
誰か本当の僕を見て
本当は違うのに…
ある少年の事
【文中の少年は架空の人物です】
私もその少年の事を理解出来てはいなかっただろう。そして傷ついた少年の心を知らずにいた。いや、気付かぬふりをしていただけかもしれない。その後悔と懺悔の意を込めて。次は無いかもしれないが、今度向き合う時には全部受け止めたい。そして、その少年の安寧を切に念じつつ擱筆する。
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