ある青年の事
雑僧の雑感 仏暦2566年9月 前半 vol.117
「ある青年の事」
その青年は気高く孤高だった
信念を貫き通す人だった
型破りで破天荒だった
愛想は良くなかった
でも頭は良かった
言っている事が本気なのか冗談なのかわからなかった
普段着はあまりお洒落じゃなかった
ブランド物にはまっていた時があった
全く似合わなかった
Tシャツとジーンズ姿が似合っていた
キャップをよくかぶっていた
飾らない人だった
スーツ姿は微妙だった
でも和装は似合っていた
機嫌が悪いと一言もしゃべらなかった
お酒の味を覚えた
好きな事はとことん極めた
こだわりが強かった
あまり社交的ではなかった
でもたまにはしゃいだ
はしゃぐ時は子供のようだった
気難しそうで案外と素直だった
好き嫌いをはっきりと言う人だった
綺麗好きだった
潔癖症だった
でもそれほどではなかった
立ち食いそばが好きだった
銭湯の入り方を知らなかった
でも電車の乗り方は知っていた
世間知らずだった
本音を言えなかった
愚痴をこぼせなかった
弱音を吐けなかった
助けてと言えなかった
誤解されやすい人だった
でも好青年だった
ある青年の事
※実在の人物ではありません
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