言論の自由

雑僧の雑感　仏暦２５６６年11月　前半　vol.121

「言論の自由」

　自由とは、強制や支配等を受けずに、自らの意思を発動する権利。そして、自由によって起こした行動における、結果の全てを受け入れなければならない、という責任が伴う。本来、自由と責任はセットであるべきだろう。

「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」

【日本国憲法第二十一条】

「すべての人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。

この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により

また、国境を越えると否にかかわりなく

情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む」

【世界人権宣言第十九条】

　何を言っても良いのではない。この自由をはき違えているふしもを見受ける事がある。匿名での発言に関してである。これはネット社会の弊害なのだろうか？

　匿名が全て悪かといえば、そんな事はない。匿名であるからこそ楽しめる事も多いはず。匿名でルールに則り、SNＳその他を楽しむ事には全く異論はない。多少の愚痴や不満はしょうがない。

SNSは気持ちを吐き出す場所でもあるからだ

　しかしながら、誹謗中傷はもっての外である。度が過ぎれば犯罪ともなるだろう。それどころか人の命をも左右しかねない。軽い気持ちでの発信なのかもしれないが、時として大きな暴力となる事もある。

「指先の魔法は9つであなたにつながるけど、いつも2人で眠りたい」

プリンセスプリンセス『STAY　THERE』より

　指先は人を優しく包み込み、暖かな繋がりを生む事もできるし、人を攻撃する事も出来てしまう。同じ指先。ならば、争うよりも優しくありたい。でも、知らず知らずに人を傷つけている事もある。そもそも、善と悪を人が簡単に定義する事は難しいだろう。けれど、出来るだけ優しい繋がりを持ちたい。