紅白歌合戦
雑僧の雑感 仏暦2567年12月 後半 vol.148
「紅白歌合戦」
除夜は除日(じょじつ)の夜で、一年最後の日。大晦日である。毎月の最終日は晦日。江戸の頃までは、晦日蕎麦の風習もあったようだ。年越し蕎麦と同様に、所謂ゲン担ぎである。細く長い人生を願うとか、悪縁を断ち切る為である。風習としては年越し蕎麦だけが残っているが、現代でも、晦日蕎麦を習慣としている人を何人か知っている。因みに元旦は元日の朝の意がある。
年越しはカウントダウンイベントや除夜の鐘、初詣、紅白歌合戦等々。過ごし方は人それぞれ。本山のカウントダウンイベントを手伝っていた時期もあったが、人出は凄まじいものがあった。おそらくテーマパーク等のイベントはもっと賑わうのだろう。
今鳴るは芝か上野か浅草か
江戸川柳
芝の増上寺 上野の寛永寺 浅草の浅草寺
江戸三大梵鐘と言われる事もある
その鐘の音は
遠く上総の国まで届いたとも言われる
西国の果てまで響く芝の鐘
江戸川柳
これは、芝久留米藩邸、三田薩摩藩邸があった為、これに西国をかけたもの。除夜には蕎麦をたぐり、紅白歌合戦でも観て、頃合いを見てテレビ中継される除夜の鐘の音を聞く。港からは汽笛が聞こえ、どこからかは花火の音が聞こえた気もする。紅白歌合戦や運動会等で行われる紅白試合の歴史は源平合戦にまで遡り、源氏の「白旗」と平家の「赤旗」に由来する。因みに、非戦闘状態(降伏ではない)である事をあらわす「白旗」は17世紀のヴェストファーレン条約から始まる戦時国際法に定められたもので、源平合戦とは関係ないらしい。ペリー来航を契機として、我が国に「白旗」が定着したと言われる。
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