ポイ活

アイキャッチ用雑僧雑感
雑僧の雑感 仏暦256810月 前半 vol.167

「ポイ活」

 

 買い物やアプリ等で賢くポイントを貯める、所謂「ポイ活」が流行っている。初心者であれば意識してポイントを貯めれば月に二千円程、上級者ともなれば月に数万円を安定して得られる場合もあると聞く。そして達人ともなれば年間八十万円という途方もないポイントを稼ぐらしい。

 今や「ポイ活」は当たり前で、賢く資産を増やす方法として広く認知されている。このポイントは企業通貨と呼ばれ、発行元は企業という事になる。且つてはポイントカードに判子を押す程度であり、その店舗や企業限定のサービスであったが、現在では発行業者以外の商品やサービスと交換できるものや、電子マネーとして現金同様に使用できるものもある。どちらかといえば後者が殆どであろう。

 企業城下町、巨大企業に支配された町で、企業発行の貨幣が無理やり流通され、人々の生活を脅かすさまを書いた、池井戸潤著『架空通貨』。西南の役においては、薩摩軍が発行した「西郷札」もあった。松本清張著『西郷札』では、「西郷札」により一攫千金を目論見た者の栄光と破滅が書かれる。江戸期には、その藩が発行した「藩札」なるものもあった。何れも私製通貨であろう。

 貨幣全般にいえることだが、時として欲望を増長させ、時として悲劇を生む事もある。仮に発行企業が信用を失えば、ポイントは無効となる事もあるだろう。これは不換紙幣である日本銀行券も同様であろう。いずれも信用の上に成り立っている。現在のポイント発行総額は数兆円ともいわれている。日本銀行券以外の貨幣が凄まじい勢いで流通している事になる。この現状は果たして正常な状態なのだろうか。

以前「ポイントマネー」と題してほぼ同じような文章を書いた

その時にはポイント発行総数は数億円と聞いていた


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