雑僧の雑感 仏暦2561年12月 後半 vol.4
「10億円が欲しい!」
~煩悩に 明け暮れそめて こん歳も 暮れ行くことぞ 空しかりける~ 住職詠む
「小欲知足」という言葉がある。自慢じゃないが私は坊さんなので欲は少ない。10億円あれば満足だ。正に「小欲知足」、坊さんの鏡。小欲とはどれ程なのか?実際どうなの?それは人それぞれ、10円かもしれないし10億円かもしれない。でも10億円!これだけあれば満足でしょ。つまり我が小欲の定義は10億円という事になる。どうしても俗っぽい話しになっちゃう。坊さんとしての器量の程がうかがえる。手が届かぬ故の欲望、10億円手に入ったならば、もっと欲しくなるのが人の性、凡夫の有り様。
こんな事ばかりを考えて、あっという間に今年も終わる…。なんか空しい。せめて宝くじでも買えば夢も見られるものを、生来の無精者故に面倒くさい。振り返れば、煩悩まみれの一年だった…。煩悩に明け暮れ初めた今年(こんとし)も暮れて行く。おそらくは、煩悩に明け暮れ染まるであろう来年(来ん歳)も空しく暮れ行く事だろう。そして我が人生もまた、なんら成長無きままに煩悩まみれで暮れて行く。これで良いのか我が人生。坊さんとしてどうなのよ?
~除夜に聞く 百八の鐘 我が煩悩 消し去り給え そう願いつつ~ 住職詠む
なにゆえこんなに煩悩が…。足るを知る、そんな心境になれるのか。人それぞれの事情を他所に、静かに鐘が鳴り響く。一年に一度、心機一転の朝を間もなく迎える。来年こそはと願いつつ…。
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