節句
雑僧の雑感 仏暦2564年3月 前半 vol.57
「節句」
人日(じんじつ)・上巳(じょうし)・端午(たんご)・七夕(しちせき)・重陽(ちょうよう)
ご存じの五節句である
この日には宮廷において節会(せちえ)と呼ばれる宴席が設けられた。いわゆる季節の節目である。節会では「節句料理」を食したそうだ。節会の料理から連想される言葉は、「おせち」であろう。
そう 元日も節句の一つなのだ
しかし一年の始まりであるから 特別扱い
なので五節句には数えられない
節会は五節句以外にもあるが、江戸時代に現在の五節句を、幕府が正式の式日と定め重視した。三月の節句は上巳。桃の節句とも呼ばれる。「雛祭」の起源は諸説あるらしいが、平安期には既に行われていたらしい。上巳の節句は「穢れ払い」として、雛人形は災厄除けや守り雛として祀られた。その昔は乳幼児期の死亡率が高く、厄除けとして一年の災いを祓った。余談だが、何時か書いたかも知れないが、幼名に「丸」を付けるのも厄除けや魔除けの意がある。「牛若丸」とかがそう。
江戸時代には 重陽の節句に雛人形をもう一度飾る習慣があったそうだ
節句と節季は異なる
よく似ているから混同されがちだが
節季は一年を二十四に分ける節目で、二十四節季と呼ばれる。立春とか春分とか夏至とかがそう。そして節季を細分化したものが七十二候と呼ばれる。それぞれに初候・次候・末候がある。例えば立春の初候は「東風解凍り(こちこおりをとく)」である。これも日本暦と中国の暦では多少異なる場合がある。ともあれ、春は心が浮き立つ。コロナでも春はやって来る。季節は廻る。
3月3日は「上巳・桃の節句」
不安な毎日が続くが、冬を乗り越えれば春が必ず来る。そう信じて生きていたい。そして「節句料理」を賑やかに囲める日が来ることを切に待ち望む。
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