不要不急の反対は?
雑僧の雑感 仏暦2564年5月 後半 vol.62
「不要不急の反対は?」
「灯史(とうし)」
これは 仏教における歴史書を意味する
「灯録(とうろく)」
こちらは 仏教の法語集のようなものであろう
中国禅家の仏教史に「五灯録(ごとうろく)」と総称される五部二十巻からなる「灯史」がある。その巻十六に収められている問答に、
問う 如何なるか是れ急切の一句
師曰く 火 眉毛(びもう)を焼く
ある坊さんが、お師匠様に「急を要するとはどのような事でしょうか?」と尋ねたところ、「それは火が差し迫って眉毛を焼くほどぞ」と答えたと言う。
いわゆる「燃眉の急(ねんびのきゅう)」である
「焦眉(しょうび)の急」とも言う
急を要する事は、眉毛が焼ける事らしい。別にどうでも良い事かもしれぬが、眉毛なのである。ここに拘る必要は何も無いかもしれないが、眉毛なのである。どうにも釈然としない・・・
眼の前に差し迫って焼けそうな物と言えば、普通は髪の毛じゃないのか?でも坊さんは頭を剃っているので髪は無い。故に眉毛という事になる(かもしれない)。
↑推測です 根拠は何もありません
ともあれ、眉毛が焼ける程に火が迫って来ている事態は尋常では無い事だろう。火が燃え広がるように速やかにの意で「火急」という言葉がある。「燃眉の急」「焦眉の急」も同義であろう。そう言えば、「尻に火が付く」という言葉もある。これも又同義なのかもしれない。
今まさに「緊急事態宣言」真っただ中。思えばこの一年、一番耳にした言葉は「不要不急」ではなかろうか?
「不要」の対義語は「必要」
では「不急」は?
「至急」「緊急」「喫緊」etc
辞書を引いてみると
「不急」の対義語は「火急」
とあった
だから、「不要不急」の反対は「必要火急」となるのだろう。「不要不急」に当てはまら無い場合とは、眉毛か尻に火が付くほどの事らしい。
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