願いは叶う？

雑僧の雑感　仏暦２５６６年2月　後半　vol.104

「願いは叶う？」

　「叶」という字は口に十と書く

　十という字には、十分とか完全とか多いという意味がある。なので、多くの人の言葉と言葉が調和する。合わさるから望みどおりになる。これが「叶」の語源だそう。一説には願い事を口に十回声に出せば叶うからとも言われる。

　以前も書いたが、神仏への参拝、願い事は本来決意表明なのだそう。ともあれ、願う心とそれを口に出す事。決意をしっかりと表明する事が大切な事なのであろう。

多くの場合願いは叶わないのかもしれない

　しかしそれは、漠然とした願いからなのかもしれない。ハッキリとこうしたい、こうなりたい。その事を心に願い、そして口に出す。決意を表明して事に臨めば、叶う願いも有るだろう。

　人は人生の中で幾つの願いを思うのだろうか。毎日毎日願う事が多すぎて、一体何を望んでいるのかさえわからなくなる。それが、私たちなのかもしれない。幸せになりたい。お金持ちになりたい。願いと欲は違う。ある本で読んだが、意欲から意を取るとただの欲になる。それだけ思いというのは大切なのだろうと思う。ともあれ、願う心、そしてそれを実現するのだという意思。そして決意表明。自分の中に願いをすりこんでゆく事が大切であろうと思う。思い通りにならぬ世の中。せめて願いが叶うように、望みが叶えられるように、思いと言葉を大切にしたい。願いを口に十回も出せば、それは自分の中で、確固たるものに変わってゆくのだろう。そうすれば自ずと願いは叶えられるのかもしれない