アナグラム
雑僧の雑感 仏暦2566年12月 前半 vol.123
「アナグラム」
君がため 都の空を 打ち出でて
阿蘇山麓に 身は露となる
鬼官兵衛と呼ばれた
会津藩家老 佐川官兵衛辞世の句である
明治維新後、初代大警視、薩摩の川路利良の懇請により警視庁に出仕、西南の役に従軍、熊本にて戦死する。維新後、新選組の齋藤一が警察官になった事はあまりにも有名だが、多くの旧幕府の人材が警視庁に登用されている。
これは廃刀令にも関係があるのかもしれないし、武士としての誇りなのかもしれない。銃撃戦が主流となってなお、抜刀隊の力が必要であったのは事実だろう。抜刀隊には多くの旧幕臣や会津藩士が志願したとの話もあるが、その中心は鹿児島県士族であったらしい。
因みに、佐川官兵衛と同じく、会津藩家老だった陸軍中佐山川浩も西南の役に出征している。山川浩は、会津戦争の際、彼岸獅子を舞わせながら会津若松城へ帰還するという奇策を用いた事で知られる。「鬼官兵衛」あるいは「鬼佐川」に対して「知恵山川」と呼ばれた。
日本警察の父と呼ばれた川路利良が制度を整備したことから、警察組織は薩摩閥であった。そしてその流れは現在まで脈々と受け継がれている。因みに内閣は長州閥だろうか。これも、現在まで受け継がれていると言えるだろう。維新から現在に至るまで、山口県出身の総理大臣が圧倒的に多い。藩閥は今なお続いているのだろう。
アナグラム
単語や文章の文字を入れ替えて別の意味にする事
一例を挙げると
Christmas(クリスマス)→Trims cash(お金をすり減らす)
刑事の俗称「デカ」もアナグラムとの説がある。着物は袂が角形の為に「角袖」と言われる。和装のコートしかり。明治期の私服警官は、「角袖巡査」と呼ばれていた。この「カクソデジュンサ」略して「カクソデ」。いつしか、アナグラムで「クソデカ」と陰口を言われるようになった。これが「デカ」の語源とも言われている。因みに、警察の俗称「マッポ」も陰口からとの説がある。薩摩人の事を「薩摩っぽ」と呼んでいた。これが転じて薩摩閥である警察の事を指して「マッポ」。いずれにせよ陰口故、あまり大きな声では言わないほうが良いだろう。
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