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旅立ちの時

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雑僧の雑感 仏暦25683月 後半 vol.154

「旅立ちの時」

 

旅立ちや 花舞う先に 何をみる

今年も旅立ちの季節がやってきた

 別れもあれば、新たな出会いもある。希望を胸に大海原に漕ぎ出す人も多いのだろう。三月初旬の日曜日、都内某所である高校の解散式が執り行われた。卒業式を含めて二日間にわたる卒業セレモニーの最後に、卒業生が制帽を夜空に投げる。これは帽子投げ、帽投げとも呼ばれる。日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、海外での卒業シーンや防衛大学の卒業式で行われる映像を見た事もあるかもしれない。この帽子投げは、士官学校発祥とも言われている。海外風に言えばハットトスである。夜空に舞う白い制帽は圧巻であり、感動もひとしおである。

 先日、都内の某スパで、ある熱波師の卒業イベントが開催された。お客さんに愛されたその熱波師にふさわしいラストイベントであった。卒業と新たな門出。悲喜こもごもの中に春を迎える人も多いことだろう。夢を見る事が難しい世の中とも言われるが、大海原に漕ぎ出そうとする人々は夢に向かって輝いているように見える。花舞う季節、卒業と旅立ち、その先にはどのような景色が広がっているのだろうか。輝かしいものばかりではないのかもしれない。けれど、夢を諦めることがないような世の中であって欲しい。輝かしい未来であって欲しい。多くの人々に見送られ、卒業生を乗せた船が島から離れてゆく。鳴り響く汽笛に寂しさを感じると共に、明るい未来を願っているようにも思えた。夢を見ることが出来る世の中であって欲しい。夜空に舞う帽子を見ながらそんなことを思った。


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