失せ物探し
雑僧の雑感 仏暦2564年6月 後半 vol.64
「失せ物探し」
日本三大怨霊
私は怖い話が苦手・・・
そう言えば、「将門の首塚」がリニューアルしてオシャレになったらしい。開放的なスペースで、これまでの雰囲気とだいぶ違うのだそうだ。一度参らねばなるまい。
菅原道真 平将門 崇徳院
日本三大怨霊はこの御三方
百人一首 落語 浄土宗
日本三大怨霊の御三方の中で、この三つに当てはまる人物をご存じだろうか? 百人一首・落語でピントは来ても、浄土宗となにゆえ関わりが?と疑問に思われる事だろう。無理やりのこじつけである。
答えはそう崇徳院
『小倉百人一首』77番
瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
私はこの和歌が好き
恋の歌である。さらっと解説すると、現世で離ればなれになった恋人でも、来世で結ばれましょう。という意である。落語『崇徳院』はこの和歌が題材となっている。この落語は上の句がキーワードとなっている。不確かな記憶だが、江戸の昔、失せ物探しのまじないに、「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の」と上の句を書き貼っておくと、失せ物が見つかるというのがあったらしい。おそらくは落語『崇徳院』も、そのまじないと歌意をかけているのだと思う。←例によって根拠は有りません。
我が家の愛鳥「ぴーくん」が行く方知れずになってしまった
朝昼晩と捜索しているが、なかなか見つからない。捜索中は心の中で上の句を称え続けている。藁にも縋りたいとはこの事だろう。「ぴーくん」を想うと胸が苦しくなる。「ぴーくん」に逢いたい。どの鳥の鳴き声も「ぴーくん」の鳴き声に聞こえてしまう。烏だけは別だけど。
浄土宗と崇徳院の関係であるが、法然上人の御伝記『48巻伝』に「崇徳院の御宇長承二年四月七日」に御誕生とある。浄土宗僧侶にとって崇徳院は、怨霊でも和歌でも落語でも無く、もちろん失せ物探しのまじないでも無い。法然上人御誕生時に御在位の御方として馴染みが深い。
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