85秒
雑僧の雑感 仏暦2569年2月 前半 vol.175
「85秒」
核戦争への懸念、地球温暖化、パンデミック等々。人類は滅亡へと近づいている。世界終末時計が先ごろ更新され、人類に残された時間は85秒となった。過去には針が戻された事もある。終末時計の創設は1947年である。その時に人類に残された時間は7分であった。
釈尊のご在世より時代が下るにつれ、増進するといわれる五つのけがれを五濁(ごじょく)と言う。世界が乱れて、戦争や飢饉、疫病がはびこる事を劫濁(こうじょく)。邪な思想がはびこる事を見濁(けんじょく)。煩悩が盛んになる事を煩悩濁(ぼんのうじょく)。人々の資質が低下する事を衆生濁(しゅじょうじょく)。寿命が短くなる事を命濁(みょうじょく)と言う。五濁悪世とも言われる。
釈尊の涅槃から五百年を正法(しょうほう)と言い、教えが伝わり、修行をして証を得る事が出来る時代とされる。次の千年間を像法(ぞうほう)と言い、教えと修行は正しく維持されるが、証を得る事が出来ない時代と言う。証とは悟りの事である。その先の一万年間を末法(まっぽう)と言い、この時代は教えのみが残る時代とされる。末法一万年を過ぎると仏教が滅び、寿命は10歳になると説かれる。我が国では末法到来を平安期の永承7年とする説が有力であり、世の中が乱れていた時代である。鎌倉期に新たな宗派が相次いで誕生した背景でもある。
人類の残り時間は85秒。一秒一秒を大切にとの声も聞かれる。そして不安を煽る声も。秒針を戻そうとする努力も必要だろう。全ての事物は有限である。終わりが有るからこそ、今の一瞬一瞬を大切に生きる事が大切だろう。

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